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太陽を盗んだ男に感じた虚無感

虚無 Advent Calendar 2016 - Adventar 13日目の火曜日です。このカレンダーもついに半分来てしまいました。

今日は「太陽を盗んだ男」です。名作ですね。

太陽を盗んだ男 [DVD]

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 いやほんと間違いなく名作だと思います。げおって見て一ヶ月以上経ってますがまだなんとなく衝撃は残ってます。しかし鑑賞後の虚無感が半端なかったのでそれをお伝えすることができればな、と。

ストーリー

ある物理教師がプルトニウム東海村から盗み出し、原爆を完成させ警察・政府に対する脅迫を敢行する。「野球の放送を延長しろ」「ローリング・ストーンを武道館ライブさせろ」など数度の脅迫は成功するも、警察の作戦により電話の逆探知に成功され、原爆はついに警察に奪取される。しかし主人公はヒロインたるラジオのパーソナリティの協力により、原爆の奪還に成功。だが、警察の猛追によりヒロインは命を落としてしまう…  ついに開催されるローリング・ストーンの武道館ライブ。そこに現れた刑事との対決を経て最悪の結末へと向かっていく…

虚無ポイント

原爆奪還部分からの荒唐無稽さ

たぶん映画の演出だとは思うんですが、原爆奪還の部分から「それは無理がある」な展開がどんどん出てくるんですよ。そもそも論として、プルトニウムの強奪や原爆の生成等々いや無理やろではあるんですが、ここまでかなり丁寧に描かれていたのをぶち壊し、「お次はターザンと来たわ!」で警察のビルに突撃して原爆奪還してカーチェイスで逃げ切る展開で、視聴時は「えぇえぇえぇ……?」な気分でした。

原爆の護衛が刑事数人という状況というのもかなり不自然でしたが、とはいえ特殊部隊の兵士でもないたった一人の物理教師が突撃して奪還ですよ。荒唐無稽さここに極まれりでした。

この後、武道館で刑事を見つけ出し、最後の脅迫に移るわけですが、屋上で現役刑事とガチンコの殴り合いして勝っちゃうんすよね… 刑事さんも最期の最後で主人公と羽交い締めにして屋上から身投げするんですが、それでも主人公は生き残ってしまう。悪運というかなんというか…

幻想感

あまりにも荒唐無稽な展開が続きすぎて「俺は未来世紀ブラジルでも見てるのか??」な気分になります。あまりにも主人公に都合の良い展開が続きすぎてむしろ幻想的な感覚になります。追い詰められた主人公がプールに放射性物質をばら撒いて人々を虐殺するという白昼夢(?)を見るシーンも原爆奪還後に出てくるせいで幻想ぐあいがより強化されてます。主人公は奪還に失敗して死に際に見てる夢なのでは?いやそもそも原爆の生成途中の失敗でとっくにくたばっているのでは?という感じが幻想感、そして虚無感の呼び水となるのです。

突然の日本死ね

最後の刑事との戦いで(わたしの目からは)突然に、主人公は「この街は腐ってる。腐ってる街を破壊して何が悪い」と嘯きます。ここまでの主人公、「野球の時間伸ばせだの」「原爆作っては見たが何がしたかったのかわからない」と政治的な主張・信念は持ってないことは明らかなんですが、まさかのおサヨク的主張で工エエェェ(´д`)ェェエエ工な気分になりました。ヒロイン殺されて自暴自棄になってる中の台詞だといえばそうなんですが、最初の最初が皇居に突入しようとする退役軍人にバスをハイジャックされるところからスタートなんでおサヨク臭が半端ないんですよ。

やがて虚無になる

政府の象徴たる刑事に打ち勝ち、映画はそのまま原爆の爆発音で終わるわけなんですが、これがもう鑑賞後の虚無感を滅茶苦茶生んでくれるわけですよ。主人公は何を成し遂げるでもなく、おサヨク的主張に走ったと思ったら街を破滅させて終わりっすよ。まぁ古い映画なんですがこの時代以後の日本の凋落を思うと、「こういう厭世的で虚無った考えが蔓延したらそら衰退するわ…」と思わざるをえません。なんだかなあと思いながら虚無へと至りました。

本カレンダー的な虚無である、ラノベテンプレクソアニメやらZ級サメ映画で感じるものとは全く違った本来的な意味でも虚無感でしたが、これもやはり虚無なのでしょう。

終わり。