人間失格を改めて読んだ感想

太宰の人間失格を最近になって読み返してみた。なおKindle Unlimitedにアニメカバー版が入っていたのでそっちで。

昔は人間失格のことを発達障害者の物語と思ってしまっていたんですが、だいぶ違いましたね。確かに幼少期の頃は微妙に発達障害っぽい症状が垣間見えます。(共感性の欠如、『満腹を感じたことが無い』というところから身体感覚の薄さ、等)しかしながらそういう面は大人になって以降では消えてるんですよねえ。(どうも子供時代の描写だけが印象に残ってたようです)

代わりに大人になって出てきたのが酒クズという一面。いやほんとに。『人間失格』とは薬物中毒者の転落人生物語という方が適切かもしれないというレベルで。もうとにかくひたすらアルコール中毒の話の主軸で、飲酒のせいで金がなくなるわ、社会性を失っていくわという話なんすね。主人公の実家が裕福で、なおかつ、男やもめ(今風に言うならヒモ)になる圧倒的な才能があったことがアルコールでの転落人生を助長させたように思えました。堀木というクズに引っかかったことが諸悪の根源であるとはいえ、アルコールをやめられず、自我を確立できなかったというのはちょっとねえ…

全体としては、共感できる部分はところどころにあれど、「これは主人公さん、人間失格のレッテル貼られても仕方ないわ…」と思いました。これは私の成長なのかどうなのか。。