SEKIROレビュー

隻狼を一周BADENDクリア達成したことだしレビューでも書こうと思う。

今作はダークソウル等々とシステム似てるがかなり別物で、プレイヤーのスキルというよりは「攻略」を強く意識した作品になっていた。攻略部は大別してマップ攻略とボス攻略に分けられると思うが、まずマップの攻略部分ではステルスを強く意識させる設計になっており如何にして敵に見つからず忍殺を決められるかを見つけるゲームになっている。ここがまずソウルシリーズとは全く別の設計になっており、敵の少ないルートを見つけてマラソンするゲームから、鉤縄と草むらを使ったダイナミックなルート構築を行う楽しみが増えた。言うなればソウルシリーズは細かくルート設計して敵を回避するゲームだったが、隻狼は鉤縄を使った大きなルート設計が求められるゲームに変わっている。発見したルートを使って敵の視線をかいくぐり背後から忍殺を決めるのは格別に楽しいものだ。

問題はもう一つの攻略要素とも言えるボス攻略をどう評価するかだろう。今作では武器が刀一択であるため、ソウルシリーズやアーマードコアのように、ラージクラブなり肩キャノンなり、対ボス用の強力な火力をもって相手を制することは基本出来ない。よくもわるくも攻略法はボスごとにかなり絞られ、プレイヤーは用意された攻略法を発見するゲームへと変貌していると言っていいと思う。正直なところこれは賛否両論だと思っていて、自力で攻略法を発見できたときの楽しみは格別ではあるが、選択肢が無くなっているタイプのボス戦も結構ある。特に弾き以外の選択肢が無い戦いは非常に厳しいものがあった。(爺さん、お前のことだよ)ただし、弾きが決まるようになればなるほど楽しくなるのも事実であり、一長一短ではあるだろう。

ただし、レベルデザインとしては本作はかなりどうかと思う設計になっている。ソウルシリーズはとりあえず雑魚を狩って体力を上げれば大概のことはどうにでもなるようにできていたが、本作は体力上昇すらボスを倒さなければならないため、ボスを倒せないのでスルーする→ボスが倒せないので体力が上げられない→より難易度が上がりボスが倒せなくなるというループに陥るような設計になってしまっている。正直ゲーム初心者にはもちろん、この手の高難易度ゲームをやったことのない人にも勧め難い代物になってしまっているだろう。

あとはボスの忍殺ゲージの設定が正直納得いかなかった。忍殺ゲージ2のボスが多々出てくるが形態変化も行動変化もしないものをただ二回倒すというのは結構苦痛であり、わざわざゲージ作るならば上手くやって欲しかった。(侍大将のように一度ステルスキルが可能なものは良く出来てると感じたが) 特に多くの人間の心を折った葦名弦一郎は第一形態の忍殺ゲージは1にするのが妥当も妥当だろう。というか第二形態は忍殺1killからスムーズに移って良かったではないかと言いたい。

総評としては、レベルデザインに対する不満点は数あれど、マップ攻略の発見の楽しみとボス攻略をひたすらやる中毒性はやはり強力である。システム面がソウルシリーズに比べて大分易化した情報を聞いて不安ではあったが、むしろもっと易化しててもいいぐらいと感じた。あとはこう…配慮というか、手心が欲しかった。。。